歯垢とは?歯垢除去の方法

歯垢とは?そして歯垢を除去する方法

歯垢:歯垢は歯石の蓄積の最初の兆候で、むし歯につながる恐れがあります。私たちは歯科医師から歯垢について注意を促されていますし、常に除去する方法を探してもいます。しかし、正確に言って歯垢とは何であり、何が原因で生じ、どうすれば除去できるのでしょうか?

歯垢とは?

歯垢は、歯科医師によっては「プラークバイオフィルム」とも呼ばれ、微細な細菌が歯の表面に集まって蓄積したものです。バイオフィルムとは、ねばねばしたマットのような形状の微生物の集まりで、自然界のあらゆる場所で見つけることができます。チームワークの良さで共存共栄を図っているため、一掃するのは困難なことが多いです。

興味深いことに、プラークバイオフィルムの形成には700種類を超える 口腔内細菌が関わっています。歯垢細菌は、軽症から重症の歯周病を引き起こすほか、私たちが口にする食物の炭水化物を酸に変えることができ、それによって歯のエナメル質を弱め、徐々にむし歯を引き起こします。

歯垢が形成される原因は?

歯垢が形成される主な原因は、毎日行う口腔衛生の手法が不適切なことです。効果的な方法で口内をきれいにしなければ、歯と歯茎の表面に細菌が付着した状態になります。すると、細菌は増殖を続け、保護基質の中で絡み合った複雑な三次元構造を作り始めます。この基質によってプラークバイオフィルムは攻撃に耐えることができるため、一掃するのが難しいのです。

アメリカ疾病管理予防センターによると、人への感染症の少なくとも65%から80%は、微生物のバイオフィルム状態での成長が関連しています1。歯と歯茎にある歯垢が多ければ多いほど、それに付着して増殖できる他の細菌も増えます。定期的な歯垢の除去を怠ると、バイオフィルム内部の細菌の種類が複雑化し、歯と歯茎にとって危険な存在になります。

歯垢は歯と歯茎に有害?

歯垢が歯茎と歯に付着している期間が長くなればなるほど、歯垢の害も深刻になります。口臭、歯周病、むし歯など、口腔ケアの一般的な問題はすべて、歯垢の形成によって引き起こされます。細菌が集まって歯垢を形成すると、傷付きやすい歯茎の組織(歯肉)の奥深く入り込み、炎症反応の引き金を引きます。そうすると、歯肉炎を発症し、歯茎が赤く腫れあがり、出血しやすくなります。

実際には、早期治療によって歯肉炎の進行を止め、回復させることができますが、治療せずに放置した場合、歯垢の塊によって歯茎が歯から離れ、歯茎の奥深いところに歯周ポケットができます。骨が壊れることもあり、また歯が徐々にぐらつき始め、最終的には抜けてしまう恐れもあります。

プラークバイオフィルムは、むし歯が進行する原因にもなります。歯垢が継続的に蓄積されると、排出される酸性の副生成物によって、歯の脱灰が起き、それがやがてはむし歯につながります。

歯垢を除去し、最初から歯垢の形成を防ぐには、どうすればよいですか?

歯のバイオフィルムの塊を破壊して歯垢細菌を死滅させるには、歯ブラシとフロスで歯垢を機械的に取り除いた後で、殺菌効果のあるマウスウォッシュで口をすすぐ必要があります。大切なのは、急がないことです!歯磨きには、一度に2分以上かけて、歯茎の縁に沿った部分や、大臼歯の頬に面した側、前歯の裏側などを重点的に磨きます。歯ブラシは、素早く大きな動きではなく、小さく動かすようにすると、曲面の部分まできれいに磨くことができます。歯磨きをし、フロスを使った後で、殺菌効果のあるマウスウォッシュでのうがいを30秒間行います。

歯垢の形成を防ぐ唯一の方法は、歯垢を定期的に取り除くことです。歯周病の原因となる細菌である「ポルフィロモナス・ジンジバリス」は、歯磨きをした4時間後には、歯垢の中で見つけることができます。口内には常に何らかの細菌がいますが、重要なことは、細菌が増殖したり、害を及ぼしたりする前に、必ず細菌の塊をきれいに取り去ることです。

歯垢は石灰化して歯石を形成するため、歯垢を除去できなくなる前に、一日に2回以上歯垢を取り除くことが必要不可欠です。塩化亜鉛を含むマウスウォッシュを使用すると、細菌を死滅させて歯垢の形成を防ぐことに加えて、歯石の形成防止にも役立つため、口腔衛生の処方計画を強化することができます。