歯肉炎とは?治療法は?

歯肉炎とは?(そしてその治療法は?)

歯肉炎とは?

歯肉炎は英語で「Gingivitis」といい、「-itis」は通常、炎症、かぶれ、腫れ、発赤を意味します(dermatitis(皮膚炎)やconjunctivitis(結膜炎)など)。Gingivitis(歯肉炎)についても同様です。歯肉炎のある人は、歯の縁に沿って歯茎が腫れて赤く膨らみます。歯肉炎の重症度によって、歯磨きやフロスで歯茎から出血したり、ヒリヒリしたりすることもあります。口臭も歯肉炎患者によくみられる症状です。

ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(イギリス医師会雑誌)によると、慢性歯肉炎は、世界人口の90%以上に何らかの影響を与えています。治療可能ですが、歯肉炎を治療せずに放置すると、歯周炎への進行や、歯のぐらつきや喪失につながる可能性があります。一般的に、この感染症は加齢とともに悪化します。

歯肉炎を特に発症しやすい人は?

以下は、歯周病を発症しやすくする危険因子の例です。

  • 不良な口腔衛生習慣
  • 喫煙
  • 糖尿病
  • 家族歴
  • 歯並びの悪い歯
  • エイズ(AIDS)などの免疫不全
  • ドライマウス(口内乾燥症)
  • ホルモンの変化
  • ストレス
  • 被せ物、詰め物、ブリッジなどの歯の古い修復物

歯肉炎と歯周炎は、最も一般的な歯茎の問題です。感染の初期段階の歯肉炎が進行したものを歯周炎といいます。

歯肉炎の原因は?

歯肉炎は、歯茎の近くが感染性細菌(プラーク)にさらされたときに体内で起こる炎症反応です。プラークバイオフィルムは、定期的に除去しなければ、成熟・増殖して、歯肉縁上または縁下にかたまりを形成します。

口内で外来微生物(異物)が検出されると、体内のほかの感染症や細菌増殖の場合と同様に、歯茎を異物から守る免疫システムが発動されます。口内衛生の管理を怠ると、わずか数日で歯茎の縁に沿って腫れや赤みが出始めます。

歯肉炎の治療法はありますか?予防方法は?

歯肉炎は、毎日の衛生習慣で歯や口内をしっかりケアするとともに、歯科による歯のクリーニングを定期的に行って歯の健康を維持することで、簡単に予防や治療することができます。

1日に2回以上、一度に2分間、歯を磨くことから始めましょう。プラークバイオフィルムがたまりやすい歯と歯茎の境目(歯肉線)を特に念入りに磨きます。圧力がかかり過ぎないように歯茎をやさしくマッサージします。

次に、フロスを歯の間に入れます。フロスをC字型に歯に巻き付け、歯茎の下まで数回上下に動かします。次の歯に移る前に、歯の間の歯肉(歯間乳頭)に沿わせてフロスを引き上げます。フロスは少なくとも1日1回行います。最後に、プラークバイオフィルムに浸透する抗菌作用のあるマウスウォッシュで口内をすすぎ、歯と歯茎に残った細菌を殺します。

また、歯科検診と歯科衛生士による歯のクリーニングを定期的に行うことも大切です。特に、歯肉炎が進行している場合は、歯周治療が必要かどうかを確認しましょう。