むし歯 - 恐ろしい歯の穴

むし歯:恐ろしい歯の穴

世界保健機関によると、むし歯として知られるう蝕は、ほとんどの先進国で口腔衛生において依然として大きな問題であり、就学児の60~90%、成人の大半に影響を与えています。米国疾病対策センター(CDC)は、昨年中に小児の80%以上、成人の65%近くがむし歯を患ったと発表しています。

むし歯は、幼児期のごく一般的な疾病であり、大人の暮らしにも影響を与える病気のため、あらゆる年齢の人々にとっての大きな課題となっています。むし歯は歯のう蝕が進んだもので、プラークバイオフィルムの中の細菌が歯の表面の食べ物のカスを分解するときに生成される酸によってエナメル質が脱灰され、最終的に歯に穴を開けます。むし歯を治療して、将来的な発症を防ぐ方法を理解して、入院したり、歯を失ったりしないようにしましょう。

むし歯をつくる危険因子

自分は「歯が弱い」からむし歯になりやすいと思っている人がいますが、実際は、歯は体の中で一番硬い組織です。「弱い」エナメル質というのは、通常、発達不全やミネラル欠乏症がある場合にのみ起こり得ます。これらの異常のほとんどは、エナメル質形成不全の明らかなサインにより、小児期に診断されます。

とはいえ、様々な生活スタイルにおける選択や外部要因によって、むし歯につながる歯のう蝕をきたすリスクが高まる可能性があります。それには次のようなものがあります。

  • 不良な口腔衛生習慣
  • 厚いプラークバイオフィルムの蓄積
  • フッ化物配合の口腔ケア製品を使用していない
  • 炭水化物、菓子類、酸性飲料(スポーツ飲料、ジュースなどを含む)が多い食習慣
  • 一日を通した頻繁な間食
  • 口内乾燥症 / ドライマウス
  • 家族歴(むし歯の原因菌は、食べ物や飲み物などを共有することにより、親から子へと感染します)
  • 手が不自由
  • 歯茎の後退
  • むし歯を頻繁に経験している
  • 化学療法や放射線療法などのがん治療

むし歯を管理する方法は?

むし歯と診断されたすぐに治療をし、早期に対処することで、う蝕がほかの歯に広がったり、歯の中の神経を傷めるほど大きくなったりするのを防ぐことができます。早期に治療することで、健康な歯のエナメル質をできるだけ削らない、低侵襲性の処置が可能になります。むし歯はほとんどの場合、詰め物で修復します。詰め物には、銀とほかの金属の混合物であるアマルガム製と、歯の色に近いレジンの複合素材製のものがあります。

しかしながら、適切な口腔衛生習慣をはじめとする、効果的な予防策を講じることがむし歯の最善の治療法です。むし歯は予防することができます。むし歯を早期に発見することで歯の再石灰化も期待できるため、予防はとても重要です。毎日の口内ケアには、歯磨き、フロスの使用、リステリン® などの殺菌効果のあるマウスウォッシュで口をすすぐことを含めましょう。医療専門家や歯科医師会などの職能団体が推奨するデンタル製品を必ず使用するようにしてください。歯科医院で定期的に検診とクリーニングを行うことで、むし歯のリスクを減らすこともできます。

フッ化物はむし歯を防ぐことができるでしょうか?

フッ化物は天然ミネラルであり、カルシウムとともに、骨と歯を強くするのを助けます。フッ化物はまた、私たちが食べる多くの食品にも普通に含まれています。マウスウォッシュや歯磨き粉などに含まれているフッ化物は、エナメル質を強化し、むし歯のリスクを減らすのに役立ちます。

フッ化物は歯の強化にどのように働きますか?フッ化物を歯のエナメル質に塗布すると、酸性環境でも溶けにくいフッ化物化合物が形成されます。この化合物はエナメル質を強化するため、酸にさらされても脱灰(軟化)されにくくなります。